2025.4.6 春の夜長の書評コーナー 共産主義車 ソ連編 松本京太郎 パブリブ
4月の1回目の書評は、「共産主義車 ソ連編 松本京太郎 パブリブ」を紹介したいと思います。
この本は、ソビエト時代の自動車産業及び自動車のカタログです。ソ連崩壊以前は西側陣営と東側陣営とで対立しており、当然自動車産業も東側独自の発展を遂げてきました。他の例でいうと、航空機産業なども同じです。西側のボーイング、ロッキード、エアバス社と東側のツポレフ、イリューシン、アントノフ社といった所でしょうか。
現在においても、独自ブランドを有する自動車メーカーのある国といったら、アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スウェーデン、韓国が代表的で、国際的ではない(自国内中心)場合は、マレーシア、インド、イラン、台湾、パキスタンなどですが、その場合も先進国との合弁やエンジン供給、技術指導を受けているケースが多いようです。中国などでは一部の車種をのぞき、合弁が多いですが、最近はBYDなどのように自国ブランドの車も輩出しています。ちなみにこれは乗用車の話で、商用車(バス、トラック、特殊車両等)の場合は、乗用車よりも自国開発のオリジナルブランドの車が多いようです。
東西冷戦時代、東側陣営においては、ソ連が自動車産業をけん引してたわけですが、ソ連崩壊後、一部を除き、自動車メーカーや独自ブランドの自動車は、西側の自動車メーカーとの競争に敗れて、多くが倒産、生産中止になりました。もちろん現在でも独自自動車メーカーや独自ブランドの自動車は生産していますが、以前と比べると少なくなってしまいました。
そうした、忘れ去られようとしているソ連時代の自動車について、解説しているのがこの本です。
どこでどんな車がつくられていたかについては、ネタバレになるので本書をご覧いただければと思います。
今回はここまでにします。次回もお楽しみに。
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