芸備書房

古本屋と独立書店、地域おこしとデザインについて

 昨日2024年4月26日、神戸市垂水区でデザイン会社をしているTRUNK DESIGNの塩屋店のスナックモンモンというイベントに行ってきた。この企画を知った経緯は、自分が、昨年末に兵庫県たつの市の九農文庫で知り合った方が、神戸市垂水区塩屋で書店を開くことを聞き、開店祝いを兼ねて遊びに行ったとき、塩屋エリアの地域活動の話の中で、地域のお店について酒やご飯を交えて雑談するスナックモンモンという企画を知った。実際行ってみて、マスターやママと古本屋の話、デザインの話、地域おこしの話をグダグダとしていた。

 その中で印象に残ったのが、「デザイナーとして地方に行くと、警戒される。なぜなら、普通のデザイナーはデザインだけして納品して終わりだからだ。デザインしてもらった商品が売れようが売れまいが、デザイン料もらっておしまい。TRUNK DESIGN では売れないデザインはゴミである。だからデザインをするときの初期費用はできるだけ安くして、デザインした商品が売れたら、売上の数%をロイヤリティとしてもらう契約にしている。そうすることで地方の職人さんに信頼を得ているし、職人の技術を伝承することができる」という言葉だ。自分が広島市で古本屋を始める(事業承継)する前に、島根県に住んでいたので、地方創生の国策のもと、大都市からわけわからんデザイナーやコンサルが荒らすだけ荒らして去って行ったり、せっかく予算がついたのに、なぜ同じ業者ばかりに仕事を依頼したり、地元の業者や人に幅広に発注して地元に金を落とすようにしないのかといつも疑問に思っていた身からするとなるほどなーと思えた。

 現在、古本屋をしているが、新刊書店と違う古本屋の強みとは、郷土史や社史、学校史、団体史に強くなること。こういった本は新刊書では流通せず、地元関係者は取引先に配られるだけなことが多いので、古本屋が取り扱うケースが多い。

 地方のこと、地域のことを知るには、当該エリアの郷土史、学校史、団体史、拠点を持つ会社の社史は非常に役立つ。

 当店としては、学術書や郷土史、社史、団体史に力を入れていて、通販の顧客の30%ぐらいは、大学の先生や大学院生、研究者、大学図書館、公共図書館なので、研究活動や地域活動の役に立つ、参考になる古書、資料のアーカイブとして貢献できればと考えているし、デザインや伝統工芸にも力を入れているので、地域に関心のあるデザイナー、実践者に役立てるような品ぞろえ、コラボレーションもできればと思う。お問い合わせ、ご相談はお気軽にご連絡ください。

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