2024.10.15 秋の夜長の書評コーナー 「裁判官三淵嘉子の生涯」「地図と拳」
最近読んだ本の紹介。今回は2作品紹介します。
まず、1作目は「裁判官三淵嘉子の生涯」伊多浪碧 潮文庫 2024年3月
24年度春のNHK朝ドラ「虎に翼」の主人公のモデル「三淵嘉子」(日本で女性初の弁護士、裁判所長)を描いた小説。ドラマでは登場人物の名前、学校名は架空だが、本の方は実名であり、ドラマにあった裁判例などは取り扱ってはいない。日本で女性初の弁護士、裁判所長になった三淵嘉子の生涯、生き様などが軽やかに描かれサクサク読めるので、気分転換や時間つぶしにお勧めです(こう書くと怒られてしまうかもしれませんが)。
2作目は「地図と拳」小川哲 集英社 2022年6月
こちらは1899-1955年の満州を舞台に、ロシア人神父、満洲馬賊、満鉄職員、関東軍、八路軍などが入り乱れるドラマ。633pもあるので、少し気合が必要かも。日露戦争から終戦までの満州(特に、瀋陽、撫順あたり)を舞台に展開する冒険活劇?的な小説。作者の小川哲氏はSF作家として有名だが、読んでいてSF臭さはあまり感じなかった。いわゆる戦争小説や時代小説よりもライト感やフィクション感が欲しい方にはお勧めかも。
今回はここまでとします。また、古本屋稼業で出会った、興味深い書籍を時々紹介させていただきます。次回をお楽しみに。
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