芸備書房

2024.8.11 新シリーズ 時刻表の紹介(その2)

 連載ブログ「時刻表の紹介」シリーズの2回目です。

 今日は、昔の鉄道時刻表の復刻版や、海外の鉄道時刻表を紹介していきたいと思います。まずは、昔の鉄道時刻表の復刻版からとりあげます。例えば、戦前の鉄道時刻表とか1950~70年代の時刻表などは、その当時の現物も古書市場には出ていますが、それとは別にその当時のものを写真製版等して復刻版を出すこともあります。復刻版とかは比較的手に入りやすいです。例えば、昭和20年代から30年代の復刻版セット(下記写真左)とか、戦前の朝鮮、満洲、台湾の時刻表、明治時代の時刻表の復刻版(下記写真右)などがあります。これらを見ると、東京-下関-釜山-奉天-新京行きの列車の時刻とか、明治44年9月の山陽本線の時刻:最寄り駅の山陽本線有年駅に上り7本、下り7本停車するとかがわかります。

 

 

 

 そのほか、海外の鉄道時刻表ですが、有名どころでは、トーマスクック鉄道時刻表(赤版:ヨーロッパ、青版;その他地域の主要列車)があります。トーマスクックがもう紙ベースの時刻表を出さなくなりましたが、赤版のヨーロッパ鉄道時刻表は他社が受け継いで紙ベースで出版されているようです。青版については、紙ベースでは廃止されたようです。日本ではダイヤモンド社が昔、日本版青版(写真参照)として発行していました(現在は廃止)。他に紙ベースの海外の鉄道時刻表は、アメリカ、韓国、台湾、中国、インドなどありますが、日本でも中国専門書店で手に入った中国鉄路時刻表(写真参照)は、現在、中国鉄道出版社版の紙ベースは廃止となり、電子版(ネットで見る)ものしかありません。ただ、日本国内で有志が情報を集め、翻訳、作成している「中国鉄道時刻表」や、「韓国シティ時刻表」、「中国シティ時刻表」、台湾時刻表などは流通しています。当店では「韓国シティ時刻表」、「中国シティ時刻表」についてはBaseにて新刊を取り扱いしています(写真参照)。

 さすがに外国の鉄道貨物時刻表は私も見たことがありませんが、変わったものとして、アフリカの鉄道貨物事情を解説した「AFRICARAIL」などがあります(写真参照)。英語ではなくフランス語である点がハードル高いですが、アフリカの貨物鉄道事情や、路線図など知ることができてなかなか面白いです。

 

    

 

     

 

 全体的に言えることは、時刻表の世界は電子化(インターネット化)が進んでおり、特に海外では紙媒体そのものが廃止されたりするケースが目立ちます。この流れは、次回紹介予定の飛行機の時刻表でより顕著です。

 今回はここまでとします。次回は飛行機(旅客機)時刻表の世界に迫りたいと思います。

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