本のパーツ説明、古本の状態を示すのに使う用語のはなし(その2)
その1から少し間があいてしまいましたが、気を取り直して続けていきます。
その1では洋装本(その中で洋書と日本語の本)の用語の説明をしたので、今回は和本(明治以前に日本で製本されていた装丁の本)の説明をします。
和装本とは、明治時代以前に日本で行われていた製本方法による本です。特徴的なのは、函やカバー、帯がないのと、輸送箱の代わりにふた(洋装本では筒函ともいう)があることです。写真上右段はふたをあけた和本です。和本の特徴としては表紙左上に縦書きでタイトルの書いた紙(題箋といいます)が貼られていることです。また綴じ方が、糊ではなくひもや糸でくくられているのが特徴です。
写真下段は和本の奥付例です。和本の特徴的なことは、シリーズ本(全○○巻)の場合、最終巻にのみ奥付がつきます。また扉も最初の巻しかありません。これは洋装本と違い、糸やひもで綴っているため、合本が容易にできることによるためだと思います。
また、同じ本が複数の出版人により印刷されることもおおいので、著者と出版人(出版社)の確認を扉や奥付ですることが大事です。
その他特徴的なのは、和本は1枚の紙をまん中で2つに折ってそれを積み重ねて最後にひもや糸で綴るため、ページ(頁)といいません。1枚の紙の表裏(2頁分)で1丁といいます。つまり、ある和本が36丁とあれば、72ページの本という意味です。
和装本は基本的には江戸時代以前の製本様式ですが、明治から昭和初期にかけては結構使われています。また、今でも能楽、雅楽、生け花などの伝統芸能の世界では、洋装ではなく、あえて和装本にした本も多いです。
それでは、次回は、古本屋のウェブサイトや目録(カタログ)でどのように古本の状態を説明しているかの解説、その次は、本についているバーコード等の説明については、後日改めてブログに掲載したいと思います。ありがとうございます。
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