2025.10.30 秋の夜長の書評コーナー 明石書店:エリアスタディーズ 中公新書:物語〇〇の歴史ほか
今回紹介する本は、世界の各国の個別史を知るのに手頃な本の紹介をしたいと思います。
代表的なものに、明石書店のエリアスタディーズシリーズがあります(写真は№74 アルメニアを知るための65章)。現在、№216まで出ていますが、世界各国の歴史文化風俗を一冊にまとめた本です。広い国については、国のなかのエリアについて取り上げたり(例:インド北東部を知るための〇〇章)、主要国については、現代〇〇を知るための〇〇章、として近現代に特化したものもあります。このシリーズの特徴的なのは、№216まで出ているだけあってマイナーな国を網羅している点です(例えば、ザンビア、東ティモール、イエメンなど)。値段は新刊1冊2000円ぐらいです。
もっとコンパクトに各国の歴史を知りたいという場合は、中公新書の物語〇〇の歴史(写真は物語ヴェトナムの歴史)シリーズもおすすめです。なんといっても新書だけあって、コンパクトでよくまとまっています。値段は新刊1冊800-1000円前後とお手頃です。難点は、紙幅上の制約から、写真図表やカラー頁が少ないことと、明石書店と比べ、マイナーな国まで網羅されていないことでしょうか。また、中公新書は、あくまで歴史中心で、文化風俗や現代政治についてはあまり触れていません。
これら2つのレーベル以外だと、山川出版社の世界各国史シリーズや世界現代史シリーズが詳しいです。ただ、主要国以外は、各国史ではなく、エリア史(例:東南アジア1、2)になってる点です。とはいえ、写真図表も豊富で読みやすいです。内容はやはり歴史中心で、文化風俗や現代政治についてはあまり触れていません。また値段は新刊1冊3000-4000円とそれなりにします。ただ、一度に複数の国の各国史を知ることができるという点ではコスパがよいかもしれません。
以上、世界の各国の個別史を知りたい場合におすすめの本の紹介でした。次回もお楽しみに。

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