芸備書房

2024.10.6 秋の夜長の書評コーナー 「東急100年史」東急株式会社編

最近読んだ本の紹介。「東急100年史」東急株式会社編 2023年9月発行 

 当店では、郷土史(都道府県史、市町村史)会社史、学校史、団体史などに力を入れています。

 その中でも、比較的新しく、内容の充実したものの例として「東急100年史」を取り上げます。983頁の量です。

 東急株式会社は、前身の目黒蒲田電鉄(1922年)を前身とし、2022年に創業100周年を迎えています。

 大手私鉄の会社史の面白いところは、合併分離を繰り返しているとともに、事業範囲が格段に広いことが言えます。ある意味、商社とかに近いかもしれません。東急も鉄軌道事業以外に、バス、タクシー、トラック貨物運輸、海運業、倉庫業、鉄道車輛製造、自動車販売、自動車部品製造、食品加工、旅行会社、ホテル、都市開発、不動産開発、貸しビル、貸テナント、土地マンション分譲、リゾート開発(スキー場、ゴルフ場、リゾートホテル、別荘分譲など)、レジャー産業(映画館、スポーツセンター、ボーリング、美術館、遊園地など)、ケーブルテレビ、クレジットカード、広告代理店、建設業、百貨店、スーパー、航空会社(日本エアシステム)、航空貨物業など多種多様です。他社でも、西武HD,東武鉄道、近畿日本鉄道、名古屋鉄道、阪急阪神HD,西日本鉄道あたりも面白そうな感じもしますが、海外展開も含め、事業内容の幅広さとスケール感からすると、東急が一番面白いような気がします。創業者の五島慶太、2代目の五島昇の話は、よく経済小説に出てくるネタです(だいたい西武グループの堤一族との箱根山戦争・伊豆戦争、国際興業の小佐野一族、乗っ取り屋の横井英樹と絡んで出てきます)。

 ちなみに、当店近くにある播磨研究学園都市は、東急グループが持っていた不稼働資産を兵庫県が買い取って、研究施設や、学校施設を核とした街づくりをしています。相生駅からバスで20分もかかるので不便なことは否めません。ちなみに今話題の兵庫県西播磨県民局や、兵庫県光都土木事務所、兵庫県立大学理学部、兵庫県立大学附属高校中学もこの播磨研究学園都市の中にあります。

 興味のある、会社、都道府県市町村、団体、学校の社史に巡り合ったら斜め読みで構いませんので、ぜひひも解いてみてください。きっと新しい発見があると思います。

 

 

 今回はここまでとします。また、古本屋稼業で出会った、興味深い書籍を時々紹介させていただきます。次回をお楽しみに。

関連情報

コメントは受け付けていません。

〒678-1184 兵庫県赤穂市有年横尾395-20

営業時間 / 9時~17時  定休日 :不定休
通販専門につき店舗はありません。仕入れ等で不在の時あり。
買取、来店等につきましては事前にご連絡ください。