芸備書房

本のパーツ説明、古本の状態を示すのに使う用語のはなし(その4)バーコード編

今回はその4ということで、本についているバーコードの話をします。

 本の分類コードの種類としては、①ISBNコード ②書籍JANコード ③雑誌コード ④日本十進法コード(NDC)の4種類です。

 まず、現在書籍でよく見かける、①②の説明をして、それから③の説明をします。

 

   

 

 上記の写真は、実際の例ですが、2007年以降は左側のようにISBNバーコードとJANコードが2段組になっています。

 ISBN:978(書籍)-4(日本)-08(出版社)-781346(書籍固有)-3(CD)  

 JAN:192(日本)-0(販売対象)-0(形態)-25(分野)-00619(値段)-3(CD)

 ここで販売対象とは、0:一般、1:教養、2:実用、3:専門、4:検定教科書他、5:婦人、6:小中学参、7:高校学参、8:児童、9:雑誌扱 です。

 また形態とは、0:単行本、1:文庫、2:新書、3:全集・叢書、4:ムック他、5:辞(事)典、6:図鑑、7:絵本、8:磁性媒体等、9:漫画 です。

 実際に読み解いてみると、ISBN:9784(日本の書籍)、08(集英社)、7811346(各書籍固有のコード) 3(チェックデジット)であり、JAN:192(日本)、0(一般)、0(単行本)、25(地理)、00619(値段:税抜619円)、3(チェックデジット)となります。

 なお、チェックデジットとは、符号の入力誤りなどを検出するために元の符号に付加される数字のことです。

 これを見ると、どの出版社からどんな分野の本がいくらの値段で出ているのかが一目で分かる仕組みとなっています。バーコードが導入前は、中段のように、4(日本)-586(保育社)-50654(各書籍固有のコード)-7(チェックデジット)となっていました。

 ちなみに、雑誌については、ISBNコード、JANコードはなく、雑誌コードが使われます。

 491(日本の雑誌)-0(予備)-06513(各雑誌固有のコード)-01(1月号)-4(2024年の4)-6(チェックデジット)

となります。雑誌コードの欠点は同じ雑誌の場合、10年後の同月号になると同じコードになってしまい、バーコードで読み込んでも区別ができなくなることです。

 なお、出版社コードは2~5桁までありますが、出版社コード+書籍固有のコードの桁数が8桁となっているので、出版社コードが2桁のところは老舗の出版社が多いです。

 例えば、00岩波書店、01旺文社、02朝日新聞社、03偕成社、04角川書店、05学研、06講談社、07主婦の友社、08集英社、09小学館、10新潮社、11全音楽譜出版社、12中央公論新社、13東京大学出版会、14NHK出版、15早川書房、16文藝春秋、17財務省印刷局、18明治図書出版、19徳間書店 などです。

 次に④の説明をしますが、ややこしいのは、図書館での書籍分類法で使われてきた④日本十進法コード(NDC)と、上記のJANコードで使われる分野コードが微妙に違う点です。 

 例えば2次分類(2桁)の10の桁でいうと、JANコード 11:心理学、12:倫理学、14:宗教、15:仏教、16:キリスト教ですが、NDCだと11:哲学各論、12:東洋思想、13:西洋哲学、14:心理学、15:倫理学・道徳、16:宗教、17:神道、18:仏教、19:キリスト教・ユダヤ教と微妙にずれています。個人的にはJANコードで統一した方がいいと思うのですがどうでしょうか?なぜなら出版社がこの本はこの分野だと認定してつけたものがJANコードだからです。とはいえ、かなり分類が難しいのもあったりしますが。

 例えば、隠れキリシタンに関する本があった場合、JANコード21:日本史にすべきか、16:キリスト教にすべきか結構迷うと思うのですがどうでしょうか?

 バーコード、コードについての説明は以上になります。次回は新しいネタでブログを書きたいと思いますのでお楽しみに。

関連情報

コメントは受け付けていません。

〒678-1184 兵庫県赤穂市有年横尾395-20(本部)

本部は通販専門につき店舗はありません。仕入れ等で不在の時あり。
買取、来店等につきましては事前にご連絡ください。
なお店頭販売については姫路駅近くに姫路支所を開設しましたので、そちらをご利用ください。