本のパーツ説明、古本の状態を示すのに使う用語のはなし(その1)
今日は、ネットで古本を買うときに、状態がどうなっているのかを表示する用語の説明をします。
本には大きく分けると 洋装本(その中で洋書と日本語の本)と、和本(明治以前に日本で製本されていた装丁の本)の2つがあります。以下は主に当店でネット出品する際によく使う用語を中心に説明します。
上記3枚の写真のうち、左側が本のパーツの説明(左:和装本と右:洋装本)です。洋装本は一般的な本のことで、カバー、帯がついていて、カバーには「カバー表紙」「カバー背」「カバー裏表紙」、帯には「帯」「帯背」、表紙・裏表紙をめくったところが「表紙見返し」「裏表紙見返し」、表紙・裏表紙につづく数枚白紙のページを「遊び紙」、題名が書いてある最初のページを「扉」、一番最後の方の、発行年月、出版社名、編集者名等が書いてあるページを「奥付」といいます。カバーの巻いていない本体の上を「天」、サイドを「小口」、下を「地」、表紙・裏表紙をめくって、綴ってある部分を「のど」といいます。
他にも、雑誌などでみられる、カバーや帯の無いタイプの本を「ペーパーバック」といいます。その他、函がついている本やビニルカバー、パラフィン紙カバーのついている本(写真中央)や、輸送箱(外函)のついている本(写真右側)もあります。
和装本とは、明治時代以前に日本で行われていた製本方法による本です。特徴的なのは、函やカバー、帯がないのと、輸送箱の代わりにふた(洋装本では筒函ともいう)があることです。
他にもよく使われる用語として、全集等についている小冊子付録のことを「月報」(全集は毎月1冊定期的に刊行されているものが多かったのでその名残)、「栞」(全巻ついていないものなど)といい、全巻揃っている状態のことを「全巻揃い」「全〇〇巻揃い」、途中までそろっているものを「〇巻~〇巻 〇冊セット」と言い表したりします。
そのほか、最初に発行されたものを初版、同じ版で複数回発行した場合は2刷、3刷、〇〇刷(重版)といいます。
版が違うもので増刷されたものを、2版(再版)、3版、○○版 といい、途中で改訂、増補などがあった場合は 改訂〇版 増補〇版、改訂増補〇版 といいます。かなり以前に発行され、絶版(出版社や取次(新刊書の問屋みたいなものトーハン、日販、楽天ブックスネットワークが有名)に在庫がないもので増刷予定の無いもの)になっているものを復刻発行する場合「復刻版」、装丁を新しくして発行する場合「新装版」といいます。
次に装丁の説明ですが、本の本体に使われている素材によって、本皮装(皮装)、合皮装、クロス(布張り)装丁と言ったりします。また昔の本に見られる天に金箔をはった装丁のことを「天金装」といいます。ほかにも初版限定部数で特別な装丁を施したものを「特装版」といったり、机の上で用いられる用の大きめの本を「卓上版」、増刷時に廉価な装丁にしたものを「普及版」といったりします。
かなり長くなりましたので、和装本のパーツの説明、実際の状態の説明の仕方、本についているバーコード等の説明については、後日改めてブログに掲載したいと思います。ありがとうございます。
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